人権とは?
「人権」。
それは、人が人らしく生きるための自由を守る権利です。
人が生まれながらにして持つ基本的な権利であり、誰も犯すことの許されない、最も重要な権利です。
身分や立場、人種、性別、民族、国籍、出身、政治的思想、宗教、貧富、職業、etc…。
人にはたくさんの“違い”がありますが、どんな人にも人権は平等に存在し、全ての人の人権は等しく守られなければなりません。
しかし、この「人権」はまだ成熟したものではなく、今も成長を続けています。
そもそも「人権」という概念は、17世紀〜18世紀の欧米諸国での革命の中で生まれたもの。
世界の歴史の中で見ると、つい最近のことです。
しかし当時はまだ、人権は本当の意味で「すべての人」に存在する権利ではありませんでした。
限られた一部の人にのみ人権が認められ、女性や子供、奴隷や植民地の人々などは、対等に扱うべき尊い存在ではなかったのです。
「人権」の概念が大きく見直されるきっかけとなったのは、第二次世界大戦です。
これまで以上に悲惨で、世界中にあまりにも大きな傷を刻みつけた第二次世界大戦を反省し、戦後、国際連合が発足されました。
そして1948年、国連は「世界人権宣言」を採択します。
この「世界人権宣言」により、人権は、性別や人種、立場など、あらゆる違いに関係なく、全ての人が生まれながらにして持っている全世界共通の基本的権利と定められたのです。
そこから70年以上経った現在でも、人権に関するさまざまな問題や課題は常に存在しています。
日本でも、男女平等が浸透してきてはいるものの、未だに性別に関する固定概念や差別はなくなりません。
他にも、国籍による差別、部落差別、障害者への差別や偏見、性的マイノリティに対する理解不足、子供への虐待…など、
数え切れないほどの人権に関する問題や課題があります。
社会のあらゆる面において多様化が進むにつれ、きっとこれからも新たな人権に関する問題や課題が浮上してくるでしょう。
これらの問題や課題を解決するためには、国や行政の対応だけでなく、わたしたち一人一人が「人権」についての意識を高めることが欠かせません。
「人は皆生まれながらにして自由である」という、根本的な人権の意味を、今一度意識してみてはいかがでしょうか?