JHCの活動/活動方針・報告

UNAIDS(国連AIDS合同計画)へ

次の文章の一部は、他のAIDSに関わるNGOの意見と合わせて、日本のコミュニティ、市民からの現状説明と要望としてUNAIDS(国連AIDS合同計画)事務総長のピーター・ピオット氏に渡されました。今、JHCが世界に発信している内容の全文を紹介します。

NGOの視点から見た日本のHIV/AIDSの状況および改善のための提案

特定非営利活動法人 HIVと人権・情報センター
(Japan HIV Center)

  1. HIV/AIDSに関する国の対策を、国の健康推進計画(健康日本21)に組み込むべきである。日本には国としてのHIV/AIDSに対する正式な対策がなく、したがって個別の政府機関や地域の行政機関が行なっている蔓延防止対策には、矛盾していたり、統一性がなく効果がみられないことが多い。「健康日本21」の委員会にはPLWHA(HIV感染者・AIDS患者)やAIDS/NGOの参加がなくてはならないが、その委員会が特定のガイドラインや一貫した国の計画を明記することが可能な、STI(性感染症)のための「健康日本21」にHIV/AIDSの項目を設けることが必須である。
  2. 全国にVCT(Voluntary Counseling and Testing)のサイトを配置することにより、HIV検査の受検率を高めるべきである。日本では1億2千万人の人口に対して、昨年は全国の保健所で6万人しかHIV検査を受けなかった。しかし、HIVと人権・情報センターが運営しているVCTサイトでは、多くの検査ニーズがあることが分かっている。VCTサイトを増やし、利用者にとって便利な時間に開設するようにすべきである。また、VCTサイトはNGOおよびNGOによって訓練された保健所等によって運営されるべきである。
  3. HIV/AIDSに関わる保健の増進について、女性がより主要な役割を果たせるようにすべきである。日本を含め、アジアの国々では、女性はしばしば性別役割分業に関わる社会規範の犠牲となっている。しかし、女性たちには、性的健康の促進のよい担い手となる能力が大きく備わっている。女性は伝統的に、家族の保健の担い手となってきた。もし女性がHIV/AIDSを保健の問題として認識することができれば、パートナーがHIV検査を受けることを促進する手助けをすることができるだろうし、HIV/AIDSに関して子どもを教育することができるだろう。
  4. 学校、PTA、保健所、NGOの協力のもと、人権および健康促進教育の形でのAIDS教育を日本の学校教育のかなり初期段階から導入するべきである。性に関する誤った情報は、アダルトビデオやインターネットなどによって日本では自由に手に入れることができるが、日本の学校や家庭において性教育は効果的に教えられていない。したがって多くの若者にはSTI(性感染症)の基本的な知識がなく、その結果、若者の間でSTI(性感染症)がかなり増加している。NGOによるピア教育プログラムを、すべての関係者との協力の中で拡大していかなくてはならない。
  5. 特に血友病患者のために、代替治療(漢方など)は保険診療が認められ、保険が適用されるようにしなくてはならない。HIVに感染しているすべての血友病患者(1,500人)は、C型肝炎(また時にはB型肝炎)にも感染しており、そのほとんどが肝臓への負担のためにARV(抗HIV薬)を使用することができない。いわゆる代替治療を含むより多くの治療の選択肢を、彼らが早急に利用できるようにしなくてはならない。
  6. IDU(ドラッグユーザー)のためには包括的なハームリダクション(薬物の害からおきる症状の削減)の政策(注射針の交換、メサドンの合法化)は履行しなくてはならない。静脈注射による麻薬の使用が日本ではますます広がっているが、これはほとんど気付かれず、認められていない。人々が麻薬使用を認めることができないため、HIV/AIDSのサーベイランスの数値も問題の深刻さをまず反映していない。

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